
あるクライアントからはローンチ告知の投稿を更新してほしいと頼まれ、別のクライアントからは顧客への返信を求められます。さらに別のクライアントは、会議前に今月の実績を確認したがっています。どれもFacebookで行う仕事ですが、それぞれ異なるブリーフ、承認プロセス、ビジネスアセットに基づいて進める必要があります。
複数のFacebookページを効果的に管理するには、まず自分のアカウントにアクセス権を付与してもらい、クライアントごとに繰り返し使えるワークフローを構築しましょう。投稿やページ管理にはMetaのツールを使い、関連するドキュメントやアプリには、デスクトップ上で決まった置き場所を用意します。
WebCatalog Desktopは、その整理に役立ちます。Facebookを専用のデスクトップウィンドウで開き、スペースを使ってクライアントごとの業務をまとめられます。導入から引き継ぎまで、代理店が実際にクライアントにサービスを提供する流れを反映させると、より使いやすい環境になります。
適切なアカウントとページの構成から始める
実際には複数のクライアントのページを管理したいのに、「複数のFacebookアカウントを管理する」と検索する人は少なくありません。ログインアカウントを追加する前に、すでに何にアクセスできるのかを確認しましょう。
| 管理するもの | クライアント業務における意味 |
|---|---|
| 自分のFacebookアカウント | ログインし、ページへのアクセス権を受け取るために使う本人のアカウント。 |
| Facebookページ | 独自のコンテンツ、メッセージ、オーディエンスを持つ、クライアントの公開拠点。 |
| ビジネスポートフォリオ | Metaのビジネスツール内で、ビジネスアセットとそのアクセス許可を整理する場所。 |
| 広告アカウント | 有料キャンペーンが契約に含まれる場合に、個別に特定しておくべき広告用アセット。 |
自分のFacebookアカウントに、複数のクライアントのページへの承認済みアクセス権がすでにあるなら、そのまま使い続けましょう。担当クライアントが増えたというだけで、別の個人用ログインを用意する必要はありません。
Metaでは、Facebookへのアクセスとタスクへのアクセスを区別しています。Facebookへのアクセスがあれば、ページに切り替えることができます。タスクへのアクセスでは、Meta Business Suiteなどのツールを通じて、割り当てられた業務を行えます。ページがビジネスポートフォリオに含まれている場合は、そのビジネスアセットを管理するアクセス許可も確認してください。
この違いは、導入時のメモに残しておきましょう。「Facebookにログインできる」ことと、「このクライアントのページで契約した業務を行える」ことは、別の到達点です。
オンボーディング:アクセス権と明確なブリーフを整える
新しいクライアントごとに、正確なページURL、アクセス権を管理するクライアント側の担当者、提供するサービス、コンテンツの承認者をまとめた簡単な記録を作成しましょう。ビジネスポートフォリオや広告アカウントが業務に関わる場合は、それらの識別情報も記載します。
この記録は、日常的な混乱の原因となる、よく似たビジネス名の取り違えを防ぎます。たとえば飲食店グループには、企業全体のページ、地域の支店ページ、旧店舗のページがあるかもしれません。コンテンツの準備を始める前に、対象となるアセットを明確にして合意しましょう。
業務に合ったアクセス権を設定する
業務に必要なページまたはビジネスアセットのアクセス許可を付与するよう、クライアントの管理者に依頼します。投稿、受信トレイ対応、広告運用では、それぞれ必要なタスクが異なる場合があります。Metaのアクセス管理機能を使い、業務範囲に合った権限を設定しましょう。
Facebookから直接管理されているページでは、フルコントロールを持つ人がページへのアクセス権を付与、編集、削除できます。ビジネスポートフォリオで管理されているページでは、クライアントの管理者と連携して、ポートフォリオのアクセス許可システムで設定してください。Metaのビジネスポートフォリオに関するトレーニングでは、アカウントとアクセス許可の関係が説明されています。
チームメンバーには、それぞれに承認されたアクセス権を使ってもらいましょう。クライアントが、誰がアカウント上で業務を行っているかを把握でき、担当業務が変わった際にそのアクセス権を変更できる状態にしておくことが大切です。
実際の担当業務を確認する
最初のコンテンツ締め切りまでに、業務で使うアカウントからクライアントのページまたはビジネスツールを開きます。コンテンツの準備、メッセージ、インサイト、広告など、ブリーフに含まれる機能に必要に応じてアクセスできるかを確認してください。
Facebookのプロフィール切り替え画面にページが表示されない場合は、付与されたアクセス権の種類を確認しましょう。タスクへのアクセスを持つ人は、Meta Business Suiteで作業する必要があるかもしれません。デスクトップウィンドウをもう1つ作っても、不足しているMetaのアクセス許可は追加されません。
オンボーディングの最後に、承認の進め方について合意します。フィードバックをどこに記載するか、誰が最終承認を行うか、緊急の変更はどのように連絡するかを記録しましょう。これらを決めることで、デスクトップ環境で何を整理すべきかが明確になります。
ワークスペースの設定:クライアントごとに使い慣れた作業場所を用意する
代理店のFacebook業務は、ページそのものだけで完結するわけではありません。Google Driveにあるキャンペーンブリーフ、クライアントのInstagramアカウント、デザインツール、コンテンツカレンダーなどが必要になることもあります。作業のたびにそれらを開き直すのは、余計な準備の手間になります。
WebCatalogのスペースでは、アプリ、アカウント、ブックマークをクライアントごとにまとめられます。たとえば「Northline Studio」というスペースに、Facebook、Meta Business Suite、クライアントのドキュメントツール、現在のブリーフや承認済み素材へのブックマークを入れておけます。
次に行う予定の作業を中心に、スペースを構成しましょう。コミュニティ管理だけを依頼されているクライアントなら、受信トレイと返信ガイドを優先します。毎月のローンチが中心の案件なら、キャンペーンカレンダーやクリエイティブファイルにすぐアクセスできるようにします。
基本的な設定手順は次のとおりです。
- WebCatalog Desktopをインストールし、アプリカタログからFacebookを追加します。
- 使用するほかのウェブツールを追加します。Meta Business Suiteは、ウェブサイト
https://business.facebook.comをデスクトップアプリとして追加できます。 - クライアントを識別しやすいビジネス名でスペースを作成します。
- 関連するアプリとブックマークを追加し、ページとブリーフを開いて、使いやすい設定になっているか確認します。
WebCatalogのスタートガイドでは、アプリやウェブサイトの追加方法を説明しています。担当するクライアントに必要な数のアプリやスペースを利用できるプランを選びましょう。
ログインセッションを分離する必要がある場合はプロフィールを使う
WebCatalogのプロフィールは、Cookieやログイン済みセッションを分離します。代理店のGoogleアカウントとクライアントから発行されたGoogleアカウントなど、利用権限のある別々のアカウントに使いましょう。
スペースは業務を整理するものであり、ログインセッションは選択したプロフィールによって決まります。1つのFacebookアカウントで各クライアントのページにアクセスできる場合は、その承認済みアカウントを使用するプロフィールを、複数のクライアントスペースで共用できます。その場合、ページごとに別のプロフィールを作成する必要はありません。
また、スペースを開いたら、FacebookまたはMeta Business Suite内で選択されているページも確認してください。クライアント名のラベルは、移動を助けるためのものです。特に複数のスペースで同じログインセッションを使っている場合、ラベルを付けてもサービス側の操作対象が特定のページに固定されるわけではありません。
投稿:クライアントごとのコンテンツサイクルを一つずつ完了させる
アクセス権とワークスペースの準備ができたら、担当者なら誰でも実行できるコンテンツサイクルを定めましょう。実用的な流れは、ブリーフ、下書き、承認、予約投稿、公開済みコンテンツの確認です。
まとまった作業を始めるときは、クライアントのスペースを開き、ページ名を確認します。以前の投稿文を編集する前に、現在のブリーフを読みましょう。前回の投稿以降、キャンペーンのオファー、リンク先URL、対象オーディエンスが変わっている可能性があります。
作業用カレンダーでは、次の項目をクライアント間で統一しておきましょう。
- 投稿が属するページとキャンペーン。
- 承認済みのテキストと最終版の素材の保存場所。
- 公開予定の日付、時刻、タイムゾーン。
- レビュー担当者と承認状況。
- 公開を確認した後の投稿リンク。
これらの項目は、クライアントが複数の拠点を持つ場合に特に役立ちます。「金曜日のローンチ」だけでは解釈の余地がありますが、具体的なページ、日付、承認済みファイルがあれば、投稿担当者は何をすべきか明確に理解できます。
Meta Business Suiteには、投稿やストーリーズの予約、顧客メッセージへの対応のためのツールがあります。対象となるコンテンツやアカウントには、これらの機能を使いましょう。チームで必要とする専用の承認ツールや投稿ツールがあれば、クライアントのスペース内に一緒に置いておきます。
予約する前に、選択した投稿先、素材のプレビュー、投稿文、リンク、時刻を確認します。投稿が公開されたら、意図したページに表示されていることを確かめ、カレンダーにリンクを追加しましょう。そのリンクは、クライアントから修正や成果の確認を求められた際に、便利な参照先になります。
WebCatalogを使うと、関連ツールに戻りやすくなります。ただし、予約や投稿そのものは、Meta Business Suiteまたは選択した投稿サービス内で行います。
コミュニティ管理:すべての返信でクライアントの事情を踏まえる
異なるクライアントに届くメッセージは、一見よく似ていることがあります。「これは利用できますか?」という質問は、客室の予約、商品、相談サービスのいずれを指しているかもしれません。適切な回答は、そのビジネスや提供内容、顧客がすでに伝えている情報によって変わります。
クライアントごとに簡潔な返信ガイドを用意し、メッセージツールのそばに置いておきましょう。すぐに確認できる事実、クライアントへの確認が必要な質問、エスカレーション先の担当者を記載します。
たとえば小売業のクライアントは、営業時間や受け取り方法についての回答は任せる一方、在庫に関する問い合わせはスタッフに確認してほしいと考えるかもしれません。専門サービスを提供するクライアントなら、料金に関する問い合わせをすべて営業チームに引き継ぐよう求める場合もあります。実際の取り決めに沿ってガイドを作成しましょう。
受信トレイの対応に取り組む際は、ページの識別情報を確認し、会話履歴を読み、回答できる内容に返信し、フォローアップが必要な事項を記録します。未解決の質問には、明確な担当者を設定してください。別のメンバーが引き継ぐ場合でも、顧客が何を必要としていて、すでに何を約束しているかを把握できるようにしましょう。
通常の確認作業はクライアントごとにまとめて行い、緊急の問題には明確なエスカレーション経路を用意します。そうすれば、集中して作業しながら、最初に通知に気づいた人任せの対応プロセスになることを防げます。
レポート:各ページの実績をブリーフに結び付ける
月次レポートは、クライアントが解決を依頼した課題に答えるものになると、より役立ちます。地域イベントの主催者なら参加に関する問い合わせ、小売業者なら新しいコレクションへの関心を重視するかもしれません。認知度の向上を目指す企業なら、どの話題がオーディエンスを引きつけるかを知りたいと考えるでしょう。
Metaは、ビジネスツールを通じてページとコンテンツのインサイトを提供しています。確認する際は、レポート期間、ページ、キャンペーンの文脈を一貫させましょう。レポートツールで区別できる場合は、有料施策とオーガニック施策の成果を分け、どの活動がそれぞれの成果につながったのかを説明します。
レポートへのリンクは、翌月のブリーフと一緒にクライアントのスペースに保存します。そのうえで、分析から得た気づきを、具体的なコンテンツ制作上の判断に変えましょう。役立つ話題を再び取り上げる、オファーをわかりやすくする、別の形式を試す、顧客を混乱させる返信を見直す、といった行動です。
目標は、クライアントが理解でき、チームが次のコンテンツサイクルに反映できる判断につなげることです。
引き継ぎ:開始時と同じように丁寧に業務を終える
チームメンバーの役割が変わるときや、クライアントとの契約が終了するときは、オンボーディング時に作成したアカウント記録に沿って確認を進めます。予約済みの投稿、未対応のメッセージ、次回のレポート提出期限について、誰が担当するのかを確認しましょう。
承認済み素材とコンテンツカレンダーを、合意した場所に引き渡します。予約済みコンテンツのうち、そのまま公開するもの、修正するもの、取り消すものを明確にしてください。Metaのアクセス管理機能を使って、関連するページやビジネスのアクセス許可を更新するよう、クライアントの管理者に依頼します。
最後に、不要になったクライアントのショートカットを削除し、専用のWebCatalogプロフィールがあれば見直します。ローカルのプロフィールを削除すると、そのローカルの閲覧データとセッションは消去されますが、アクセス許可の変更は引き続きMetaや関連サービス側で行う必要があります。そのプロフィールをほかの継続中のクライアントにも使っている場合は、プロフィールを残し、不要になったワークスペースの項目だけを削除してください。
WebCatalogで次のクライアント用ワークスペースを作る
複数のクライアントのFacebookページ管理は、どの案件にも明確に識別できるページ、承認済みのアクセス権、実務に使えるブリーフ、使い慣れたツール一式がそろっていると、進めやすくなります。同じプロセスは、最初の2社にも、より多くのクライアントにも対応できます。
WebCatalog Desktopをダウンロードして、現在担当している1社から始めましょう。Facebook、投稿ツール、現在のブリーフ、返信ガイドを1つのスペースにまとめます。そのワークスペースでコンテンツサイクルを一通り実行し、次のクライアントのニーズに合わせて構成を調整しましょう。


